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彩感(つれづれ日記と社労士受験)

彩感(つれづれ日記と社労士受験)

モラル・ハラスメント

仕事上の人間関係は複雑なものです。

特に上司・部下の関係は、いろいろと問題が起きるものです。

今、問題視されつつあるモラル・ハラスメント(パワー・ハラスメント)について

ちょっと触れてみます。


モラル・ハラスメントとはフランスの精神科医、マリー・フランス・イルゴイエンヌが

提唱した造語で、日本語で言うパワー・ハラスメントを含むものです。

(パワハラは完全な日本語で、外国では通用しません。

パワハラとは、職場において、職務上の権限を越えて、部下や周囲に

精神的虐待を行う事です。)


このようなハラスメントは、外傷等が残るため顕在化しやすい肉体的な暴力と違い、

言葉や態度等によって行われるため、見えづらいため長い間潜在的なものとして

存在していましたが、イルゴイエンヌの提唱により知られるようになりました。


イルゴイエンヌによれば、モラル・ハラスメントを起こしやすい性格の人物とは

自己愛性人格障害(自分のことにしか関心がなく、特別な存在と思いこむ)の

傾向があるとの事です。


専門用語としての、「人格障害」とは、単なる性格の偏りではなく、平均的な

人々の範囲から見て、ものの考え方や感じ方、行動の仕方が常に著しく偏っている

精神障害で、自他共に苦しみを引き起こします。


アメリカ精神医学協会のマニュアルであるDSM-4によると、自己愛的な人格について

つぎのように規定されています。

● 自分が偉くて、重要人物だと思っている。
● 自分が成功したり、権力をもったりできるという幻想を持ち、その幻想に限度がない。
● 自分が特別な存在だと思っている。
● いつも他人の賞賛を必要としている。
● すべてが自分のおかげだと思っている。
● 人間関係の中で相手を利用することしか考えていない。
● 他人に共感することができない。
● 他人を羨望することが多い。

このうち、5つ以上の項目にあてはまれば、自己愛性人格障害であると診断されるそうです。


誰にでも、自己愛というのは当然持っていて、それが個人の活動の源となります。

しかしその「自己愛」が歪んでしまうと、周りを精神的に虐待する人間となるのです。

特に、力関係のはっきりしている職場では、その権力をフルに活用して、

精神的虐待が行われます。

さらに悪い事に、このような人間は自分が精神的虐待を行っているという自覚がありません。

このタイプは大きく分けて3つのパターンにわかれます。

● 誇大妄想型
● 徹底管理主義型
● 被害妄想型

多分、この種類の人たちには、いかなる研修やカウンセリングも効果がないでしょう。

自分が、優秀で絶対正しいと思っているわけですから・・・・

できたら、近づかない方が賢明です。

でも、職場だとそうはいかない。

難しい問題です。



セクハラという問題が、男女雇用機会均等法11条により、

法律上の問題として対応できるようになりましたが、

モラル・ハラスメントは、法律では明確に定められていないと思います。

結局は、民事上では債務不履行、不法行為、使用者責任、安全配慮義務、

刑事上の名誉毀損、侮蔑罪、脅迫罪などを併合的に適用し

訴えていかなければならないんでしょうね


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